東山動物園で教わる動物飼育02

      2019/02/24

東山動物園報告の第2弾です!
(初回はこちら

東山動物園には様々な動物がいました。
昨年から人気のイケメンゴリラのシャバーニやフクロテナガザルのケイジ君など・・・。

しかし、僕の目当てはトカゲやカエルの飼育環境の確認です。
ちょっと人気の動物達は見ましたが、それより本題に入りましょう。

東山動物園では両爬虫類は自然動物館といわれる建物の中で飼われていました。

GOOGLE MAPで確認すると自然光を取り込むために工夫のある建物であることが分かります。天窓がたくさん付いていますよね。
しかし、この天窓はある程度の厚さを持ったガラスです。そうでないと建築基準を満たさないからです。

一般的にはガラスは紫外線を通さないといわれますからいくら天窓がついていたとしても紫外線は届かないはずです。するとUV灯が東山動物園でも活躍しているのでしょうか。
館内に突撃調査です!


館内ではワニなんかがゆったりしていました。ワニは天窓ごしの自然光でゆっくりしています。


どこにいるか分かりますか?
左側の木の穴からトカゲが顔を出しています。
トカゲやカエルたちはほとんどがあまり姿を見せておらず、隠れていました。
動物園にきた客にして見ればそれは残念かも知れませんが、彼らの生態を考えればそれは仕方ないのかもしれません。
水槽の中を覗いてもどこにいるか最後までわからない子もたくさん居ました。
そして照明についてですが、多くの飼育ケースが
「蛍光灯」
「レフ球」
「赤外線」
で飼育されていました。
赤外線はこたつにも入っている熱を出すようなものですね。


カメの飼育も蛍光灯が使われていました。

レフ球や赤外線はカルシウムを吸収するための助けとなるビタミンDを生むことができる紫外線を出しません。レフ球や赤外線はホットスポットを作るためのものです。
では紫外線は不要なのでしょうか。
ちなみに餌として与えられていた昆虫は私が確認できた限りではフタホシコオロギばかりでした。
また、ダスティング(カルシウム剤やビタミン剤の粉末を餌にふりかける行為)などは特にされている形跡がなく、ただ飼育ケージに放り込まれているだけでした。

動物飼育相談コーナーがありましたので、相談員さんに聞いてみます。
相談員さんはとても丁寧に対応くださいました。
まず第一に紫外線が不要なわけではないということをおっしゃっていました。
紫外線自体の必要性はもちろん認めるので、UV灯を否定するものではないとのことです。
しかし、東山動物園では多くのカメやトカゲにはUV灯は使われていない・・・。
相談員さんが言うには、
「本来は天窓から太陽光が採光できればいい。しかし、紫外線をカットしないタイプのアクリルもあるのだが、建築物としてアクリルを窓に採用したものは許可が下りない。」
「そして蛍光灯の中には紫外線をカットする仕様のものもありますが、紫外線を出しているものもあるので、それを使用している」
とのことでした。大体の趣旨はそういったお話であったと思います。
なんと蛍光灯を選べば、それなりに紫外線を得ることはできるというのです。
また、ガラスが紫外線の多くをカットしてしまうことは事実ですが、100%カットではないと考えるとのこと。
するとガラス越しではあっても採光をすることは有意義なんですね。
なるほど~。

写真には写っていませんが、これはアルマジロトカゲのケージです。
南アフリカ原産のアルマジロトカゲにもUV灯は見当たりませんでした。
また、相談員さんがおっしゃるにはダスティングについても全種類に必ず必要なことではないということでした。ガットローディングでまかなえる種が多いのかも知れませんね。

これらの調査を経て私なりの結論はこうなりました。
「UV灯はあればより良い環境を作れるが、必ずしも必須ではない。工夫のしようがある。」
「ガットローディングが十分出来ればダスティングは補助的な考えでよい」
mustとまで言ってしまうと言いすぎですが、betterといったところでしょうか。
広いケージを用意してあげて紫外線が強めのスポットを作ってあげればそのトカゲにとって
必要であれば自らそのスポットに行くでしょう。
ただ、
「UV灯は必ずないといけない」
「半年に一度は必ず交換しないといけない」
「ダスティングしないと餌としては致命的に栄養素が足りない」
とまで脅迫的に考えなくても良いのかなと思います。
種によって違いもあるのかも知れませんが、少なくとも私が飼っていニホントカゲ、ニホンカナヘビやサキシマカナヘビなどはそういった考えで良さそうです。
それにUV灯以外にも紫外線を取り込むのに工夫の仕方はあるのです。
自然光を上手に使ったり紫外線をカットしないタイプの蛍光灯を使ったりですね。
UV灯やカルシウム添加について有意義な調査をすることができました。
丁寧にご解説頂いた東山動物園のスタッフの皆さん、どうもありがとうございました。

東山動物園で教わる動物飼育01
東山動物園で教わる動物飼育03

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