トカゲ(カナヘビ)の病気、ケガと治療

      2019/01/04

いつもまるで全て順風満帆に飼育ができているかのようにtwitterで発信し、ブログを執筆していますが、実はうちには闘病中の子がいます。
生き物の飼育をしていれば、それぞれ病気のリスクがあります。
それは犬でも猫でもトカゲでも変わりません。

今回はトカゲのために行った健康診断と病気の発見、治療について記事にしてみようと思いました。
正直、あまり楽しい記事ではないので記事にすること自体気乗りがしませんでした。
でも、同じようにトカゲを飼育されている方に広く知ってもらうことで少しでも早い治療や予防につなげていけたらと思い、発信することにしました。

ある日、トカゲのお腹にしこりのようなものがあることに気が付きました。
明らかに通常の形から歪んでいるように見えたのです。
これは何だろうと思いました。
触ってみても素人にはわかりません。
動物病院に行って診てもらうことにしました。

しかし、犬や猫を診てくれる病院は多くあってもそれ以外の動物を診てくれるところは多くはありません。
また、
「小鳥やウサギ、フェレットなどの小動物なら診ます。」
というところは一定数あるのかも知れませんが、トカゲ、しかもカナヘビサイズの小さなトカゲを診てくれる動物病院は本当に少数ではないかと思います。
動物病院ではレントゲンを撮りました。

腹部のしこり

全身麻酔はリスクが高いので、麻酔を掛けずにまずはレントゲンで何があるのか確認をしたのですが、あまりに小さい体なのでしこりや腫瘍のようなものも確認できません。
卵が詰まっていたり、食べてはいけない石などが消化器系統に詰まっていたらレントゲンで確認ができることが多いですが、それも確認ができません。
骨の歪みではないことはレントゲンから確認できましたが、なぜ体型がいびつになっているのかがわかりません。
このあと超音波(エコー)を当てて検査をしましたが、お医者様でも異常を見つけることはできませんでした。
この子の腫れは何かの病変なのか、そうではないのかレントゲンでもエコーでも全くわからないのです。

うちのトカゲ達は多頭飼育をしていましたが、この子は病気の恐れがあるので、排便などの健康観察をしやすいように医師の指示で単独飼育の環境に切り替えました。
しかし、単独飼育の環境に変えた途端に餌を食べなくなり、亡くなってしまいました。
環境の変化によるストレスなのか、やはりこれが何らかの腫瘍(癌)などの病気で、それが原因で命を落としたのか、原因はわかりません。
1週間後に経過観察のため受診の予定でしたが、それまで生きることができませんでした。

続いて口のケガがある子です。
この子はお迎え当初から口にケガがあり、口の皮膚が裂けているように見えました。

口のケガ01

口のケガ02

お迎え当初からこのような状態でしたから何が原因でできたものかわかりません。
生きたコオロギなどを食べるのも辛そうであまり食欲がありませんでした。

とても心配をしていましたが、昆虫用のゼリーを与えたところ、よく舐める姿を見ることができました。

昆虫ゼリー

レオパゲルなども食べてくれれば良いのですが、まだレオパゲルには抵抗があるようです。
しかし、高タンパク、高カロリーの昆虫ゼリーを食べてくれたことでケガが癒えるまでの間の栄養補給ができればいいなと思います。

最後に、現在闘病中のサキシマカナヘビです。
この子の異常を見つけた時、私は最初病気だと思いませんでした。

腫瘍01

腫瘍02

何やら肩のあたりに黒くて丸いものが付いているのがわかりますか。
ほくろのようなダニのような・・・。血豆(血腫)のようにも見えました。
体力の衰えや食欲の衰えのようなことはなく、元気にしていましたし、皮膚表面に出来たものであれば脱皮とともに無くなるかなと思っていたところ、これが破裂しました。

破裂した血豆

破裂して無くなったので、なんらかの外傷が原因でできた血豆(血腫)で、もう無くなったから大丈夫と安心をしていました。
しかし、これがより大きくなって再発したのです!!

腫瘍03

たまたま同じところに再度の外傷があってまた血豆(血腫)ができたとは考えにくい。むしろ外傷ではなく、内出血ではないかと思ってこの子も受診をすることにしました。
このサイズの「できもの」が出来てしまうのはさすがに異常です。
徐々に大きくなるというよりもいきなり大きな「できもの」が出来たという感じでした。
このサキシマカナヘビの検査は「できもの」の部分について細胞を一部採取し、研究機関にその細胞を送る形で行われました。
出来物の一部を採取するためにサキシマカナヘビを柔らかく包んで逃げないようにしてあげながら先生に注射のようなもので細胞を取っていただきました。
するとこの「できもの」の多くが血液であることがわかりました。
何が原因かわかりませんが、ここに血が貯まっているということが判明したのです。一部細胞を取るだけのつもりが注射で多くの血液が摂れて、「できもの」は一瞬小さくなりました。しかし、この日の夜にはまた同じような大きさにまで膨らみました。

その後、検査機関にサキシマカナヘビの細胞が送られて検査結果がでました。
あくまでごく少量の細胞をもとに行われた検査でしたから確定診断ではありませんが、悪性腫瘍を疑うとのことでした。いわゆる癌です。
また、重度のマクロファージ性炎症ではないかとのことでした。

診断書

獣医師の先生からは悪性腫瘍は遺伝子異常で起こるものだから飼育に問題があって起きるものではないよと慰めていただきましたが、この子が不憫でなりません。
トカゲやカナヘビだって人間と同じように悪性腫瘍(癌)ができるのです。
この腫瘍について切除する手術を受ける予定です。正直なところ、相当な重症ではないかと思います。
私は専門家ではありませんから獣医師に最終的には全てお任せを致しますが、私はこの表面皮膚にできているのはやはりあくまで血腫ではないかと考えています。
内蔵に何らかの損傷や腫瘍があり、そこから内出血した血がここに溜まってしまっているのではないかと思うのです。
もし上皮内新生物程度の腫瘍であるならば注射で細胞を取ったときにあれほど多くの血液成分が出ないでしょうし、過去に破裂して一度無くなった経緯を考えても表面に出来ているのであくまで血腫(血豆)ではないかと考えています。その出血の原因を特定しなければ何度切除しても症状は改善しないのではないかと思うのです。
もし、これが血腫でその出血の原因が他にあるとすると血腫だけとっても残念ながら根本治療にはならないばかりか、無駄に体力を奪うことになりかねないとも懸念しています。

しかし、なんせ自分は素人です。ここは動物病院の先生の見立てに掛けるしかないと思っています。
そしてその結果が、残念なものだとしてもせめて飼い主として最善を尽くしたいと思っています。ここまで重症になってしまえばおそらく診断が正しいものであろうがなかろうが、正しい手術であろうがなかろうが、どうやっても非常に厳しいものではないかと思っています。

生き物の飼育とは難しいものですね。一生懸命その生き物にとって最善の環境を用意してあげても先天性の病気や遺伝子異常などの病気は防げないものです。
もちろん飼育下だけではなく自然でも同じように病気になったりケガをする生体はいるわけですから飼育自体が悪だとは思いません。
むしろ野生ではもっと早く淘汰されていた命なのかも知れません。

今回のことで私が身をもって思い知ったのは、やはり異常を感じたらすぐに見ていただけるかかりつけ医を持つということです。
できたら健康なうちに健康な状態を知ってもらうために健康診断を兼ねて医師にみてもらっておきましょう。
その方が病変が見つけやすくなります。
なんだかトカゲやカナヘビの話ではなくて人間の話のようになってしまいましたが、トカゲも人間も一緒ですね。
検査の方法も血液検査(細胞採取)、レントゲン、超音波診断など、人間と全く一緒でした。
これらのことも私にとっては初めての経験で勉強になりました。

今ペットを飼育されている方、ぜひ一度健康診断を受けてみてください。
目に見えない病気が早期発見できるかも知れません。

大事な家族であるペットが健康でありますように。

その2へ続きます。

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