カナヘビの飼い方 (ベビー 赤ちゃん)

      2018/11/11

こんにちは。

うちではまだ幼いカナヘビを多頭飼育しています。
飼育しているカナヘビは、サキシマカナヘビ、アオカナヘビ、ニホンカナヘビです。
まだ小さい生まれたてのカナヘビたちを飼育していくにはどんなことに注意をしていく必要があるのでしょうか。
飼育下で繁殖に成功された方、また思いがけず小さなカナヘビをお子さんが捕まえてきてカナヘビの飼い方をお調べになっている方など、急遽飼育されることになった方のために私の経験を共有できたらと思ってこの記事を作成しました。
カナヘビベビー、赤ちゃんの飼育方法です。ぜひ御覧ください。

1 飼育ケージ
2 水分補給
3 餌
4 メンテナンス
5 日光浴、バスキングライトと日陰

1 飼育ケージ
飼育ケージは広ければ広いほど良いようです。私の周りでは90cm程度の水槽で管理をされている方もいらっしゃいました。しかし、90cmの水槽やケージを置くとなるとそれなりのスペースが必要になってきますし、誰でもできるわけではありません。
逆に環境さえきちんと整えてあげれば、飼育する数にもよりますが、大きなサイズのプラケース程度でも飼育は可能だと思います。ただ、カナヘビの魅力を最大に引き出せるか、また、カナヘビ自身にとってその飼育環境が幸せかなどを考えるとプラケースでは勿体無いですし、気の毒な気がします。
現実的なお話をしましょう。
90cm以上の水槽が用意できる方、置くスペースがある方はその環境を整えてあげることをオススメします。
しかし、それが難しい方は、60cm水槽や同程度の爬虫類専用ケージでも構わないと思います。
私は60cm水槽を使用しています。もっと大きければ色々捗るなとは思いますが、空いていたテーブル60cm程度の大きさでしたし、置けるスペースを考えても60が限界でした。
60㎝水槽は熱帯魚飼育の世界では一つのスタンダードなので、値段も他に比べて割安ですし、各種付属品も充実しています。
おすすめはより大きな水槽(あるいは爬虫類専用のケージ)ですが、現実的なところとしては60cm水槽でしょうか。
大事なのは、
(1) 通気性
(2) 床面積+活動できる面積
(3) 環境の多様性
などになってくるかと思います。

(1)通気性
これについては、蒸れてしまうような状況を避ける事です。
大人のカナヘビやトカゲも同じですが、適度な湿度は必要であっても、通気性が良い状態を保つ必要があります。
どんよりと蒸れた状態は避けなければなりません。そのために60cm水槽の天面は開放しています。蓋を付けていません。
一時期蓋を付けたりもしましたが、バスキングライトの熱でひしゃげてしまい、蓋を閉めても隙間ができてしまうようになってしまいました。
それ以来、蓋は付けていません。もう捨てても良さそうですね・・・・。
天面を開放していることで、通気性は抜群で、臭うようなことはありません。
カナヘビを飼育していいてケージが臭うようなことがあれば相当環境が劣化していると思いますので、すぐにメンテナンスが必要でしょう。

(2) 床面積+活動できる面積
カナヘビ達は、ニホンカナヘビ、サキシマカナヘビ、アオカナヘビ全て例外なく、立体活動が好きです。床面が広いだけではなく、高さがあるケージ作りを心がけましょう。
でもあまり高さを設けすぎるとそこから脱走することがあります。天井にきちんと蓋があれば別ですが、うちのように天井に蓋がなければカナヘビがジャンプしたときに乗り越えられる高さにはならないよう気をつけなくてはなりません。
カナヘビたちはガラス面を登ることはできませんからそこは心配ないようです。
うちでは高さ16cmのワイヤーラティスを使用しています。60cm水槽の高さは35センチ程度なのですが、そのうち16cmまでは自由にカナヘビたちが登れるようになっています。
これを60cm水槽の壁面に掛けて、うち半分にはFAKE GREENをくくりつけています。
半分だけにしたのでは、水槽の半分はFAKE GREENによる日陰、半分は日向にしたかったからです。
ワイヤーラティスとFAKE GREENを使用したレイアウトは過去にも使用したことがあるのですが、このときは日光浴をできる面積を増やすために水槽の背面に使用しました。
今回は、半分だけFAKEGREENを付けて水槽内に日陰ができるよう前面に置いて使用しています。

半分、みどり

(3)環境の多様性
サキシマカナヘビ、アオカナヘビ、ニホンカナヘビはみな同一の場所で暮らしているわけではありません。ニホンカナヘビは日本の本州全般で広く見ることができますが、サキシマカナヘビやアオカナヘビは沖縄に住んでいます。
それぞれ本来であれば生活環境が異なるのですが、一緒に飼育している以上、それそれが気持ちよく暮らせるような状況を作って上げる必要があります。
個別にどんな環境が好きか、インタビューできればいいのですが、私にはそれができないので、できる限り多様性のある環境づくりを心がけています。
湿度(水分)が豊富な所、乾燥した場所、涼しい場所、暖かい場所、明るい場所、薄暗い場所・・・それぞれ活動するのに必要だったり、リラックスするのに必要だったりしますからきちんと揃えて上げる必要があります。

東側

60㎝水槽の東側は朝から昼にかけて日差しが入るところです。ここは比較的乾燥した状態を保っています。またバスキングライトもここに当たるようになっているので、曇の日でも同じ時間にバスキングライトで暖をとることができるようになっています。
発泡レンガブロックをSeriaで購入してきました。

発泡レンガブロック

「ミニブロック」という名前で売っています。ダイソーにも色違いが売っていますが、光と熱を集めるのは黒かなと思ってSeriaで買いましたた。発泡レンガブロックは中に穴が空いているので、ここは日陰となり、カナヘビたちが隠れることもできます。

穴に隠れたカナヘビ

出てきたアオカナヘビ01

出てきたアオカナヘビ02

またとても軽いので、何か事故があってもカナヘビたちが潰れて怪我をしたりすることもなさそうです。糞などで汚れたら水に浸けて汚れを浮かせた後、歯ブラシで擦ってあげればすぐにきれいになります。

続いて水槽の西側は東側とは逆に日陰があり、温度が低めで多湿なゾーンです。

西側

ちびっこたちには大きすぎるウェットシェルターLと底の穴を埋めた植木鉢に水を張っています。
植木鉢の底の穴を埋めるにはバスコークさんを使用しています。
(詳しくはトカゲやカナヘビ、カエルを飼うための小さな工夫集を参照ください。)
こちらは日光浴を十分にすませたカナヘビたちが休むためのゾーンです。よくFAKE GREENの中に隠れて休んでいます。多頭飼育をするときはこのように隠れることができる場所を多く用意してあげるとより良いようです。
ただ、お気に入りの場所は人気があるようで集中してしまうこともありました。

5匹が大集合

みんななかよく暮らせているので問題はありませんが、60㎝の広さをもっと有効に使ってほしいですね(笑)。
60c水槽の中央あたりはマルチパネルヒーターを敷いてあります。

パネルヒーター

普段は床材に隠れて見えませんが、掃除のときに撮影しました。日当たりも良く、ヒーターによる加温もできるエリアとなります。

狭い60㎝水槽でもこのように環境に多様性を持たせてあげることによって彼らの好きなところで生活できるよう工夫できるのかなと思います。

日向と日陰

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2 水分補給

水飲み01

水飲み02

カナヘビたちは本当によく水を飲みます。また全身水浴びのようなこともしています。
脱皮の残りカスが付いていたような子も水浴びした後にFAKE GREENの中で体を擦り付けて皮をきれいにしていました。
水飲み場というよりも水浴び場と考えて大きめの水入れを用意してあげましょう。
ウェットシェルターは使っているかどうかよくわかりませんが、気温が上がりすぎてしまったときにはここが一番ひんやりするのでしょうから入れておいた方が良さそうです。

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3 餌
餌として与えているのは、ヨーロッパイエコオロギ、ワラジムシ、ハニーワーム、たまにフタホシコオロギです。
最近、ワラジムシ以外にはカルシウム剤をダスティングをして与えることを始めました。
ワラジムシを与えているので、ワラジムシからもカルシウムは取れると考えていますが、ダスティングしてもベビーカナヘビちゃんたちはちゃんと食べてくれるので、ダスティングして少しでも栄養をとってほしいと思っています。

お食事中

置き餌も試してみました。

置き餌01

置き餌02

2~3日間家を空けることがあったので、レオパゲルとレプトミンを置いてみました。
帰宅後確認するとほとんど無くなっていましたが、食べたのか、散らかしてしまったのかは謎です。
一部の子はピンセットからレオパゲルやレオパブレンドを食べてくれますが、コオロギやハニーワームに比べてしまうと趣向性はとても低いです。
その他昆虫用のゼリーもサキシマカナヘビとアオカナヘビは食べてくれました。ニホンカナヘビは見向きもしません。フルーツ味とタンパク質配合のものと二種類とも良く舐めていました。水分補給の一環かも知れませんがここに掲載しておきます。

フルーツゼリー01

フルーツゼリー02

タンパク質ゼリー

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4 メンテナンス
 一番汚れが目立つのは黒の発泡レンガですが、ほかも目立たないだけで汚れは出てきます。
 ウェットシェルターの掃除については、トカゲやカナヘビ、カエルを飼うための小さな工夫集を参照ください。
チモシーはある程度時間が経過してくると色が悪くなってきますので、まるごと交換してしまいます。
 もともとウサギの餌として売られているものなので殺虫剤のようなものも入っておらず、とても安心して使っています。
糞がガラス水槽の底面にこびりついて固まってしまうようなことがありますが、霧吹きなどでふやかしてから拭き取ってあげればきれいにすることができます。
 FAKEGREENは植物とはいえ偽物なので、これもウェットシェルターと同じようワイヤーラティスごと漂白してしまいます。
(漂白をしたあとはよく水洗いして漂白剤が残らないようにしてください。)
同時に飼育する数や大きさにもよるのでしょうけれど、週に一度週末にメンテナンスすれば十分です。
2周間に一度くらいになってしまうこともあります。

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5 日光浴、バスキングライトと日陰
 グラステラリウムではケージ内にライトを付けることができるよう、蓋にコードの穴が空いていたり、ライトのクリップを挟むことができる板が入っています。
 60cm水槽にはそれがないことも、蓋を付けずに使っている理由のひとつです。
 常に日光浴ができればバスキングライトは必要ないのですが、天気の悪い日が続くこともありますので、バスキングライトはあったほうがきっとカナヘビたちには喜ばれると思います。
 カナヘビたちにとって日光はほかに変わるものなどないくらい大切なものですが、バスキングライトを導入することによって雨の日、雪の日などでも光による熱で暖まることができます。また、コンセントタイマーと連動することで、ある程度飼い主の生活リズムに合わせてバスキングをする姿を見ることができるようになります。
 特に朝早く家を出て、日が沈んでから家に帰るような生活をされている方にとっては、バスキングライトを飼い主のリズムに合わせて時刻設定してあげることで、カナヘビたちの姿を見ることができるようになることでしょう。
バスキングライトはペットショップで専用のものを買ってくれば間違いないのでしょうけれども白熱電球でも代わりにすることができます。
 ただ、熱を持ちますので、可燃性のものに触れるようなことがないように気をつけないといけません。
プログラムタイマーなどで無人状態でもスイッチが入る状態にしていると、可燃物に触れていたらそのまま火事になることもありますから注意が必要です。
 私は朝自分が起きる時間から自宅を出る時間に合わせて、また、帰宅頃に合わせてバスキングライトが点灯するよう設定をしています。そのほかは自然のまま、太陽に任せて日が当たって日光浴ができたり日が暮れて日陰になったりしています。
カナヘビファーストではないかも知れませんが、今のところ、支障はありません。
動物を飼育するに当たり、飼い主のモチベーションを保つということも大切なことだと思っています。せっかく飼育しているのに観察ができなければ飼い主のモチベーションは下がることでしょう。ここはカナヘビにお付き合い頂いているところです。
 それと飼育環境のところでも書きましたが、必ず日陰がどこかにはできるようにしています。ガラス越しとは言え強い日差しで熱中症になってしまうようなことは避けねばなりませんからシェルターを多めに用意した上で暗幕を掛けるようにしました。
 夏でなければ暗幕までは必要ないかも知れません。ちょっとここはまだ色々試してみます。
 このままこの子達にとって初めての冬を迎えようとしています。
 冬眠せず越冬をさせるつもりですが、冬に向けて栄養の貯蓄は万全のようです。

栄養豊富なおなか

ただ、この子に関して言えばちょっとダイエットが必要かも知れませんね・・・。便秘になっていなければ良いのですが、排便だけしっかりしてほしいですね。

タイムラプスでベビー達の様子を撮影してみました。
せっかくなのでぜひ御覧くださいね。

ハニーワームを与えてみました。
こちらはみんなで取り合いになるくらいの大人気ぶりでした!

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