コオロギの飼い方_繁殖編その01

      2018/10/27

コオロギを繁殖させることについて考えていきたいと思います。
自家養殖をすることにはいったいどんなメリットがあるのでしょうか。
以前トカゲを飼っていた時はコオロギ養殖はできませんでした。コオロギの卵を買ってきて孵化を目指したことはありましたが、当時は成功しませんでした。
しかし、今回、私が自家養殖をしようと考えたのは、こんなメリットがあるのではないかと思ったからでした。

1.餌が自分で増えてくれれば、新たに買い足さなくて済むので経済的
2.小さなサイズの活餌が手に入る。連続して産卵孵化してくれればあらゆるサイズのコオロギが手に入る。
3.普段頼りにしているお店がたまたま在庫切れで餌を切らすなんてことで慌てないで済む
4.自分で育てるので、品質面は自分が一番良く分かる
5.コオロギの消費が追い付かないまま成長してしまった時に、成虫のコオロギは餌にするには既に大きすぎるが、産卵する親として活用することで無駄がない。

今にして思えば浅はかなところも多々あるのですが、このように考えてコオロギの養殖をすることにしました。
これだけみるとなんだかメリットだらけに見えますよね??特に前回飼育をしたときは上記3は本当に切実な問題でしたし、5もなんだか無駄に亡くなっていくコオロギを見るのは忍びなかったのです。
もちろん自分で飼育するトカゲの餌まで自分できちんとその生態を理解したいという気持ちもありました。

しかし、実際にやってみて、率直に思うのは、お金の問題ではなく手間の問題として幼令コオロギの飼育は非常に大変だということです。これを身を持って体験しました。正直なところ甘い話ではなかったのです。
もし皆さんのお住まいの近くに在庫切れの心配がないコオロギ取扱店があるか、通販で買える環境にあり、ssやピンヘッドではなくS~MLサイズのコオロギでも餌として問題ないよという方は買った方が色々な意味でお勧めです。
産卵、孵化、幼令コオロギの飼育はそれぞれそれなりに大変です。
僕らは両爬の飼育者は、コオロギを上手に使えれば良いのであってその繁殖までは手掛けなくても良いように思います。
冷蔵庫や電子レンジを作ることはできないけれど使うことはできるのと同じように。
コオロギの養殖は、一般の人にはできないとは言いませんが、一般家庭でやるには手間の割に合わないからプロにお任せして使うだけにした方が賢い選択であるように思います。
そして大変な作業をしてくださるコオロギの養殖業者さんに感謝の気持ちを持ちましょう。
しかし、そうは言ってもどうしても自家養殖の必要がある方や、いやいや自分でやってみたいんだという意欲のある方にはいると思います。そんな方々の参考となるよう人に私の経験を共有したいと思います。
ぜひご参照くださいね。特に北海道沖縄にお住まいの方は通販のコオロギはなかなか対応いただけず、対応あっても送料が高いと聞きました。
参考になれば幸いです!

1 親コオロギ
羽がきちんと生え揃ったところまで成長すれば親になれます。雌には産卵管があり、オスにはありませんからすぐに見分けがつきます。羽の模様も若干違います。羽に模様があるのがオスで模様がないのがメスです。成虫のオスメスが複数ペア揃った飼育環境にしておくと勝手に交尾します。

オス成体

メス成体

2 産卵床
これは様々なものを使っている方がいます。私がかつて購入したコオロギの卵は黒土の入ったプリンカップに産卵されていました。
普段コオロギの飼育は乾燥した状態を保つことが大切ですが、産卵床については湿っている必要があります。
かといって産んだ卵が溺れるようなビショビショな環境も良くありません。
あちこちのサイトを見て自身の経験も踏まえ、今回産卵床に採用したのはトイレットペーパーでした。
ツイッターでお友だちになっていただいた「お野菜さん」からもご紹介いただきました豪州の獣医師さんの繁殖スタイルです。
お野菜さん、ご紹介ありがとう!

産卵床01

産卵床02

トイレットペーパーに決めたのは用が済めばトイレに流せるというところです。
黒土ではこうは行きません。
もっとも「よしだっち氏」のように糞まみれであろう使用済み黒土の産卵床を野菜の肥料に使えるのであれば黒土を使うという方が環境のためにも良いのかも知れませんから皆様の環境や考えに応じて産卵床は決めてください。
私は小松菜を水耕栽培で育てているので黒土の有効活用ができないのです。

さて、当初の私は濡らしたトイレットペーパーを入れた小さなタッパーをコオロギのいる衣装ケースにただ入れていました。ちなみにタッパーにはコオロギが登れるよう、足掛かりを掛けてあげる必要があります。
新聞紙やチラシをちぎったものをふんわりと掛けてあげれば充分です。あるいは卵ケースの端をタッパーの上に掛かるようにしてあげても良いです。
産卵床に使うタッパーは、高さの低いものが良さそうです。高さは必要ないばかりか、高さのあるタッパーにはあまりコオロギが入っていきませんでした。
一度入ったコオロギが、高さのために出るのにも苦労するようではいけません。
さて、このように産卵床を用意するとコオロギたちはこちらの思惑などまるで関係なく好き放題にし始めます。
トイレットペーパーを給水のためにチューチュー吸う奴がいたり、ペーパーを破って潜る奴がいたりしてタッパーから細切れになったトイレットペーパーが衣装ケースの中に散乱し始めたのです。
潜ったコオロギはひょっとしたらせっかく産卵された卵を食べてしまっているかも知れません。
そこで私は産卵管は通るけれど、コオロギ自体は潜れないよう網を掛けることにしました。
タッパーのサイズに合わせて鉢底ネットを切ってトイレットペーパーに乗せるようにしたのです。

鉢底ネットをオン

おお、我ながらナイスアイデア!と思ったのですが、既に先駆者はいた様で、このアイデアは既にネット上で紹介されていました。
先駆者にはなれませんでしたが、実績のあるやり方だと知ることができました。
さあ、これで産卵床の完成です。
小さなタッパーに2~3cm程度に高さを揃えてトイレットペーパーを敷く。その上にはなるべく隙間がないようサイズを合わせて切った鉢底ネットを乗せます。

産卵床03

霧吹きで良いので全体が良く湿るように吹いておきましょう。

3 コオロギたちの産卵
コオロギたちが産卵床に気づくと産卵が始まります。
しかし成虫のコオロギであったとしても成虫に成り立てでまだ卵を抱えていないメスや逆にもう寿命が近く体力的に産卵が難しいメスの場合には産卵をしません。
若くて交尾後のメスはたくさん産卵します。それこそびっしりです。

卵がいっぱい

卵がびっしり入ったなと感じたら、あるいはこれ以上卵が増えないようだなと感じたら産卵床をタッパーごと回収します。盛んに産卵する時期なら2~3日位、そうでなくとも1週間位で回収します。
回収後は鉢底ネットはもはや不要ですので外して次回に備えて洗っておきます。
蓋のサイズに合わせて切ってあるので、鉢底ネットは恐らく取り外しにくいでしょうが、ピンセットを使えば簡単に外せます。

4 孵化
ここまではうまく行くんです。いつも。ここまではうまくできるのですが、産卵された卵がなかなか孵化しません。
それも必ず孵化しないわけではなく、成功したり失敗したりするので、何が原因で失敗するのかわからず苦労しました。
わかっていることは、成功させる条件として
A 適度な湿度が必要。ビショビショ過ぎてはいけないが乾くのもいけない。どちらも卵の死を意味する。
B 真夏と同じような温度にしてあげると卵の成長が早く10日程度で孵化することも。
C 生まれた直後に湿気で死ぬことがあるので、マメな観察が必要

そして逆にあまり気にしなくて良いことは、
a 湿度を保つためなら空気穴がなくてもよい
b カビが生えてきてもあきらめない。それでも孵化することがある。
c ヒーター等で加温できなくても日数を掛ければ卵は孵る
と言ったところでしょうか。

2017年秋頃は産卵ラッシュでした。 
タッパーの数も足らなくなり、ヒーターも足らなくなるほど次から次へとコオロギ達が産卵します。
早い孵化を促すため、卵がいっぱいになったタッパーをヒーターで暖めることにしました。
ちょうどお日さまのあたる場所でもあったため、ヒーターと日光で相乗効果で相当暖かったはずです。
しかし、湿度の管理が困難でした。1日でトイレットペーパーはからからです。
またヒーターはシート型のもので温度設定もできないものでした。
これでは卵が死んでしまいます。
次にタッパーにきちんと蓋をして密閉することにしました。
これで乾燥を避けることができます。
日差しが当たるところも1日の温度変化が激しいと考えて避けました。
タッパーの中は結露しますが、それは湿度が保たれている証拠なのでしょう。
すると待望の第一子が生まれました!

コオロギ第一子

これは感動です。あくまでトカゲの餌に過ぎないのですが、自らの手で繁殖できたことが感動でした。
ここに至るまでに死に至らしめてしまった卵たちに報いるためにこの子たちは上手に育てなくてはなりません。
これに味をしめて同じようにして、トイレットペーパー産卵床に多くの卵を得ました。面白いように産卵をしてくれたものです。
しかし、同じように孵化を試みてもうまくいきません。
最初に孵化までできた卵は、産卵から10日程度で孵化が始まりましたが、うまくいかない卵は同じ環境で育てているつもりでも1カ月経過しても孵化しません。
そのうち卵は黒くなり、匂うようになりましたので、諦めました。
卵が死んでしまったのだと思います。
原因は不明です。
次はヨーグルトメーカーにサーモスタッドを付けて温度管理をしながらの孵化を目指しました。
私の持っているヨーグルトメーカーは型が古く、切りタイマーが付いていないのでずっと通電できるのです。温度は26~30度位で管理しました。
これで4つほどの産卵床を暖めましたが、孵化したのは1つだけでした。
しかもカビだらけになってしまったトイレットペーパーからの孵化でした。

なぜ成功したり失敗したりするのか。
成功条件は何なのか。
試行錯誤は続きました。

試行錯誤-湿度管理-

そこで当初不要と考えていた空気穴について検討しました。
卵も呼吸をしているはずなので、密封された環境よりは空気穴があった方が良いと思ったのです。
ただ水分が逃げてしまえばまた乾燥してしまう。
また孵化したばかりのコオロギが逃げてしまうようにするわけにはいきません。
そこでタッパーの蓋にはんだこてで2つだけ穴を開けることにしました。

2つ穴開けたタッパー

密閉よりは空気が入り、かつ、孵化したコオロギは逃げることができません。
水分もある程度保つことができました。
効を奏したのか、空気穴を開けたタッパーの産卵床からは9日間で孵化が始まりました。
2018年2月の話です。
真冬でも9日で孵化まで至ることができたのはとても素晴らしいことです。
これで繰り返し成功するようなら繁殖方法を確立したと言えるのではないでしょうか。
同様のやり方での孵化を繰り返しチャレンジしてみたいと思います。

フタホシコオロギの赤ちゃん

今回使用したはんだこて、鉢底ネット、タッパーはいずれもダイソーで購入しました。はんだこては100円ではなかったと思いますが、他で買うよりも安かったです。はんだこてを置いておく台もダイソーに取り扱いがあるので、ご近所にダイソーがある方はそちらに在庫を確認してみてください。
ネットでの購入が便利な方はこちらをどうぞ。特にはんだこてはホットナイフと兼用のものだとDIYには何かと捗るのでお薦めです。

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