【閲覧注意】ワラジムシの飼い方(虫画像あります)
2018/11/04
今回は私が飼育しているホソワラジムシについて説明をしていきます。ワラジムシは、昆虫ではありません。コロオギやカブトムシのような昆虫は足が6本ですが、ワラジムシはワラワラたくさん足がありますよね。どちらかというと昆虫ではなく、海老に近い種だそうです。
そいうえば海老も足がたくさんあって、甲羅に体が覆われていて・・・・似ていますよね。
昆虫と海老とで大きく違うのはその殻の成分です。
昆虫にも海老と同じように硬い体を持つ種がいます。カブトムシやクワガタムシを想像してもらうと分かりやすいと思います。
海老やカニも硬い殻を持ちます。
しかし、決定的な違いとして、昆虫の外骨格は、あくまでも動物体表面が硬化したものであり、厚くなったクチクラ層、あるいはそれに石灰質が沈着したものから構成されますが、海老やカニの殻はカルシウムを含むのです。
そういうことからトカゲやカエルの餌としてワラジムシが有効であると考えられています。私のところでもカルシウムが不足しがちでしょうから餌としてワラジムシを投入することに決めました。
ただ、ワラジムシにどの程度カルシウムが含まれるのか、また、それがどの程度トカゲやカエルにとって消化吸収が可能なのかは不明です。ただ、そうであったとしても餌の多様性を持たせることは非常に有意義ではないかと考えています。餌の基本はコオロギ、この原則は変わらず、カルシウムを補う為に補助として使うというイメージでしょうか。
●飼育ケース
プラケースで十分です。多くの数を飼育するなら衣装ケースが良いと思いますが、あなたがワラジムシでビジネスをしたり、とても多くの数の両爬を飼育していなければ、そこまで必要ありません。また、ワラジムシにとっても狭い場所での過密飼育の方が良い環境になるそうです。
●底材
腐葉土、ピートモス、ココナッツ繊維などが良いようです。私はピートモスをメインに落ち葉を上から重ねています。ココナッツ繊維はほんのわずかだけ混ぜています。落ち葉は餌になりますし、残ったとしても腐葉土になりますからいいこと尽くしです。ココナッツ繊維も非常に好んで食べているようです。ワラジムシのためには腐葉土が一番いい環境なのでしょうけれども、管理の面から言えばピートモスやココナッツ繊維のほうが楽です。そのあたりは飼育者の好きなスタンスで良いと思います。朽木なども餌や隠れ家になるという意味ではとても優秀ですがダニの侵入の恐れがあり、あまりお勧めしません。
●餌
色々試しましたが、フレーク状の魚の餌が良さそうです。熱帯魚や金魚の餌として売られています。これを入れるとすぐに食べきってしまうようで相当趣向性は高そうです。
また、フレーク状の魚の餌を乗せるための餌皿を使用するようにしましょう。直接底材に置くと餌が原因でカビを発生させることがありますし、餌皿がないと餌自体の風味が落ちるのか、あまり食べません。うちでは餌皿を試行錯誤しましたが、ワラジムシが見てすぐに気づくこと、底材からの水分を通さないことなどから食品トレーを餌皿に適する大きさに切って使っています。
レプティボールよりこちらの方が餌へのアクセスは容易のようです。また、ワラジムシに餌を与える際はなるべく「1~2日以内で食べきれる量」を目安にを与えることがポイントです。
●環境
・通気を良くすること
→ 蒸れないよう、乾かないようにすることが必要です。
・コバエ、ダニの侵入を許さない。
→ コバエやダニが飼育ケースの中に入り込むとリセットせざるを得ません。入れないように予防することが大事です。カブトムシやクワガタ用のコバエ防止シートが役に約に立つようです。私は大きな洗濯ネットをダイソーで購入し、プラケースごと包んでいます。
→ これはトカゲの冬眠と同じ理屈です。ワラジムシが快適な場所を自分で見つけられるよう、乾いた場所と湿った場所、その中間を用意します。底材を斜めに敷いて、薄いところからスポイトなどで水分補給をしてあげると底材が薄い部分はビチャビチャと言っていいほど多くの水分を含みますが、底材の厚い部分は上まで水が上がってこないので、比較的乾いた環境を作ることができます。
●繁殖
環境が整えば勝手に増えていくようです。気づくととても小さなワラジムシを見つけることができるようになります。特に工夫の必要はありません。
●ワラジムシの取り出し方
実はこれにちょっと苦労しました。
強く掴むとけがをさせてしまう、下手をしたら殺してしまうからです。
今は一度落ち葉ごと取出し、落ち葉をゆすってワラジムシを落としてから落ち葉を戻すようにしています。
これでワラジムシを傷つけずに取り出すことができます。
もっと効率のいい方法ないかなと思っています。
餌皿に使用する食品トレーを使ってプラケースの端まで追い詰めて食品トレーに乗せてから取り出すと落ち葉を拾うよりかは多く取り出せました。
でもそれでもそんなに上手なやり方ではない気がします。
まだまだ試行錯誤が必要ですね。
●越冬
これはまだしたことがないので分かりません。ただ日本在来の種ですから特に何もしなくともいいのではないかと思います。ましてや室内であれば外ほど寒くなることもありませんし雪や霜が降ることもありません。あまりに活動量が鈍ったり、原因不明の死者が出るようでしたらシート型のヒーターを敷いてあげると良いかも知れません。実際にやってみて課題や改善策があれば加筆いたします。
●夏
どちらかというとこちらの方が課題かも知れません。
高温多湿の日本の気候は多くの生体にとって危険です。あなたが一日中冷房を効かせている部屋を持っているのであればそこに入れてあげるのが良いと思います。
しかし、ワラジムシのために冷房を効かせる必要はないと思います。必ず与えなくてはいけない餌ではないからです。
通常の自宅の環境で夏を越せないのであれば、夏の間は諦めて秋からまた始めれば良さそうです。
●リセット
まだ私はリセットをしたことがありませんが、繁殖のペースが落ちてきたり、悪臭がするようになったら底材をリセットする時期なのだそうです。
●最後にワラジムシのメリット
ワラジムシは餌としてカルシウムが豊富なだけではなく、自然界では他の動物の死体や糞、土などを分解する役目を持っています(「土壌生物」ともいいます)から貴方の飼っているトカゲやカエルの水槽に入れることで、お掃除をしてくれるかも知れませんね。
今回の記事は、餌虫の取り扱いをされているスフィロアクア様からの丁寧な指導をいただき、私なりに工夫を加えた飼育方法の紹介でした。スフィロアクア様、御教授ありがとうございました。
とても上質な餌虫を提供されており、対応も丁寧でいつもありがたく利用させていただいているショップです。機会がありましたらこの記事をお読みになった皆様もぜひどうぞ。
今回紹介した飼育用品はこちらで購入することができます。
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